【書道を指導していてわかったこと⑧】お手本を『よく見る』ことは、美しく文字を書くための『下準備』♪

お稽古中、

『もう覚えたから大丈夫!』

と、
最初の1、2枚はお手本をチラ見して書いているのですが
残りの枚数はお手本を見ずに稽古をする生徒さんが
少なからずいます。


稽古をした字を見ると
案の定全然書けていません^^;


そんな時は必ず
『お手本を最後まで見よう!』
伝えます。

なぜお手本を何度も見なければならないか
と言うと
漢字一文字を稽古するのにも
気をつけるポイントがたくさんあるからです。

例えば、
漢数字の『三』という字の場合、


まず全体的のポイントは
●筆の入り方、止め方を美しく
①始筆(起筆)
②終筆(収筆)

そして、
●線の種類
③一本目の横線は軽くカーブして右上がり
④二本目の横線はまっすぐに右上がり
⑤三本目の横線は山カーブで始筆と終筆の高さを揃える

さらに、
●線の長さ
⑥一本目より二本目を少し短くし、
 三本目を一番長くする

もう一点、
●線の太細
⑦一本目は太い線
 二本目は中くらいの線
 三本目は細い線


さらにもう一点、
●空間の取り方
⑧一本目と二本目の空間、二本目と三本目の空間を揃える
 もしくは
 一本目と二本目の空間より二本目と三本目の空間を狭くする(重心が下がりどっしりする)

さらにさらにもう一点、
●墨のつけ方
⑨墨の量は多すぎたら滲み
 少なすぎると掠れるので
 丁度いい量を調節する


という感じで
たった三本の線でも
少なくとも9つのポイントがあります。

たった1、2枚お手本をチラ見しただけで
すぐにこの9つのポイントを全てクリアできる人は
なかなかいません。

なので
『ぜんぜん書けない〜!』
と困っている生徒さんは
だいたいお手本を見ていません^^;

習字は
お手本を「見て、書く」。


この繰り返しで
一枚一枚、少しづつ完成度を上げていくのが
お稽古の目的です。

手習い』という言葉はご存知かと思いますが
『目習い』という言葉もあ流くらい

「自分の目で、じっくりお手本を見る」
「見て、考える」

ことは
手で書く以上に最も大切なことなのです。

このことを理解してもらうために
何度でも繰り返し、繰り返し
伝えていきたいと思います。

お稽古中に私がよく言う言葉は
「お手本をよく見て書こう!」
です。


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